ED(勃起不全）…その原因と治療

ED（イーディー）とは?

ED（イーディー）とは、英語のErectile Dysfunctionを略した表記で、勃起機能低下(勃起不全）のことをいいます。
　 ED（勃起不全）は「性交渉を満足にするために十分な勃起にいたらない、あるいはその勃起を維持できない状態である」と定義されています。
「勃起がなかなかしない」「性行為に、最近、自信がない」「満足のいくような性交が最後までできない」「勃起しないことがたまにある」 ED（勃起不全）といってもこのように、感じる症状は人それぞれ違うのです。
勃起が十分におきないために、性交渉が満足にできない場合は、ED（勃起不全）であるといえます。

ED（勃起不全）とインポテンス…その違う点はなんでしょうか?

EDと同じような言葉にインポテンスがあります。直訳すると、インポテンスは性的不能の意味となります。
この表現は、その人の人格そのものを否定するといった響きがあります。この性的不能と訳される言葉は、人として本来備わっている能力が失われていることを意味します。これは、こうした悩みを持つ患者さんへの思いやりに大変欠ける言葉といえます。

一方、EDという表現は、性的不能という表現と違って、勃起機能の低下という疾患そのものを表す言葉といえます。
この勃起機能の低下という表現は、、まったく勃起できない状態だけをあらわすのではなく、その起きる症状は、軽いものから重いものまでさまざまあります。
このような事情をかんがみて、現在では、よりEDという病名が、通常使われるようになりました。この勃起機能の低下という疾患を表現する英語　Erectile Dysfunctionの頭文字をとって、ED（イーディー）と表記します。

EDED（勃起不全）の原因…EDはなぜおきるのか？

勃起はなぜおこるのか…それは、神経系と血管系のシステムが正常に働くことにより起こります。
ED（勃起不全）の主な原因は、そのどちらかか、あるいは両方ともに障害が起きることが原因と言われています。

ということは、正常な勃起が起きるには、神経と血管の働きが深く関与しているといえます。
脳からの性的刺激の信号が、神経を通して陰茎に伝わると、陰茎海綿体(いんけいかいめんたい)の動脈が大きく拡がってきます。その結果、この陰茎海綿体に血液が流れ込むようになります。
海綿体(かいめんたい)はスポンジ状になっており、流れ込んだ血液をぐっと吸い込んで、大きく膨らんできます。この状態が正常な勃起です。
EDの場合、この海綿体の動脈の拡がりが不十分な状態で、十分な血液が動脈に流れ込まない、あるいは、勃起と関係する神経のどこかがダメージを受けていて、硬くなって勃起するのに時間がかかったり、勃起そのものが十分続かなかったりします。

従来から、その原因として加齢や精神的なものががあげられていますが、それだけではありません。生活習慣に関係する病気（高血圧症とか高脂血症、さらには糖尿病など）が原因となることもわかってきました。
このことは、逆に、ED（勃起不全）の症状を診察することによって基礎的な病気が見つかることもあるということです。

EDの原因は、案外多くの方が、ストレスなどの"精神的なもの"から起きると思っています。
精神的、心理的な原因もたしかにありますが、それだけではありません。喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧症、など、あまり好ましくない生活習慣から、EDが起こる場合があります。

日本では1,130万の人々がED（勃起不全）に悩む、…!

日本で行われたED（勃起不全）の疫学調査の最近の結果によると、現在日本では、40～70歳の男性の半数以上の人々が、何らかの原因によってEDになっていると考えられています。

EDの症状を口に出すのは恥ずかしいということもあって、その実体を把握するのがなかなか難しいのですが、2002年の日本のED（勃起不全）の推定患者数は約1,130万人といわれています。
日本の男性の総人口数を6,200万人とすると、約６人に1人がEDの患者という事実が浮かびあがってきます。
そのうちで、ED治療を受けた患者さんの数は、約91万人というある製薬会社のデータがあります。

■　ED（勃起不全）で受診した人は、たったの５％…！　■

では、実際にED（勃起不全）の治療を受けている人はどれぐらいいるのでしょうか？
EDと推測される方のうち、実際に受診したことがある人のかずは、はこれだけED（勃起不全）で悩んでいる多くの方がいながら、わずかにその5％に過ぎないというデータがあります。

それに対して、ED（勃起不全）でない健常者の方に「もしED（勃起不全）の症状がでてきたら、あなたは病院に診察・治療に行きますか？」という質問をすると、受診すると答えた人は20％程度というデータもあります。
これらのデータは、ED（勃起不全）の症状が実際に起こって受診しなければと思っても、病院で受診するまでになかなか至っていないという状況が存在する証拠だといえます。
つまり、実際にED（勃起不全）の症状がある患者のなかで、治療を受けないで悩んでいる人が大勢いることを意味しています。

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